「外国人のシェルターに」 入管で面会重ね、自宅受け入れ―ウィシュマさんも支援・愛知の女性

不法滞在を理由に入管施設に収容された外国人の中には、さまざまな事情で母国に帰ることができず、収容が長期化する人も少なくない。一時的に拘束が解かれる「仮放免」となっても就労できず、健康保険に入れないなど困難な生活を強いられる。愛知県津島市の歌手、真野明美さん(69)は施設で面会を重ね、身元保証人になって自宅で受け入れるなど支援を続けている。

 

 

「食べられる物だけでも食べて」。名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の施設で昨年9月、真野さんはウズベキスタン人の30代男性に面会室のガラス越しに呼び掛けた。男性は宗教上の理由で施設の食事をほとんど食べられず、収容後4カ月で体重が約10キロ減った。「閉じ込められて頭がおかしくなる。入管のご飯はもう嫌だ」とため息をついた。

 真野さんがこうした外国人の支援を始めたのは約5年前。古民家を買い取って自宅兼シェアハウスに改装したところ、難民認定を求める外国人が入居に訪れたのがきっかけだ。仮放免となっても困窮する人が多いことを知り、無償で受け入れるようになった。「困っている外国人のシェルターがあるといいと思った」と振り返る。

 次第に全国から寄付や食料などが届くようになり、これまでに8人の身元保証人になった。無料や低額で診療を受けられる病院に連れて行ったり、地域住民と交流するイベントを開いたりもしている。

 2021年3月に名古屋入管の施設で死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=も受け入れる予定で、亡くなる3日前にも面会したが、かなわなかった。「仮放免になるのは体がボロボロになってからだ。入管は何も変わってない」と憤る。

 ウズベキスタン人の男性は昨年10月、体調が悪化して仮放免となり、真野さん宅に身を寄せた。自ら調理した食事を食べるようになると元気を取り戻し、「もし日本で働けたら、お金のない人も食べられるレストランを開きたい」と前向きな言葉を口にするようになった。

 真野さんは入管施設に収容された外国人について、「最初は違法なことをした人というイメージが強かったが、母国で迫害を受けて帰れなかったり、日本の就労先が劣悪で逃げ出したりとさまざまな事情があることが分かった。もっと関心を持ってほしい」と話した。