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『寝ても又 覚めても辛き 世の中に 有る甲斐もなき 我が住まいかな』
(寝ても覚めても辛いこの世の中に、私は生きている甲斐もないのに、ただ生きているだけであることよなあ。)
『憂(う)しという 世に住みながく 露の身の 消えてはかなき 身をややつさん』
(思うようにならないつらい世に永く住んでしまった私、この身は、はかなく消えてしまう露のようなもの、ああ、いっそ露になりたいものだ。)
『憂(う)きことの 夢になり行く 世なりせば いかで心の嬉しからまし』
(つらいことが夢になってしまう世であったならば、どんなにか嬉しいことであろうか。)
『焚くままに霞(かすみ)の衣 重ね着て 花の紐をば いつか解くべく』
(香をたきこめた花霞の衣を幾重にまとった山も、吹き来る風でいつか霞が晴れる時も来るであろう。そのように私の罪もはれる日がきっと来るであろう。)
菅原道真公 詠