キュウリがお好きな八坂さま?

京都の八坂神社は、もとは祇園社という名称で、比叡山延暦寺の末社でしたが、明治に施行された神仏分離令によって独立、国の管轄下となり、祇園の名称は仏教用語で相応しくないとして、八坂の名称に変わりました。 門前町の祇園という名称はその時代の名残です。

 

八坂神社のご祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。京都のお祭りといえば、すぐに思い出すのが八坂神社の祇園祭りです。このお祭りは、平安時代、疫病(えきびょう)退散のために御所(ごしょ)内で祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)が行われたのが最初で、疫病・災害の原因を怨霊のせいと考え、それを鎮めるために牛頭天王(ごずてんのう)をお祀りしました。

 

牛頭天王は、インドの祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の守護神といわれ、疫病封じのご利益があることから、仏教伝来とともに、素戔嗚尊と同一視されるようになりました。八坂神社を天王さまと呼ぶところも多いようですが、それはこの名残です。

 

夏に行われる天王祭では、地域によってキュウリをお供えする風習が見られます。八坂さまがなぜキュウリが好物かといえば、その昔、八坂さまが悪い神から逃れるために、きゅうり畑の中に身を隠し難を逃れたそうです。八坂神社のご神紋は、キュウリを切った切り口に似ていることからも、きゅうり好きといわれる由縁だそうです。