神葬祭(神道式での葬式・法事)について

 

神葬祭(しんそうさい)とは日本人の伝統的な霊魂観に基づいて行なう神道の形式による葬儀です。

 

僧侶の代わりに神職が斎主を執り行ないますが、概ね仏教形式と似たような進行になります。

 

仏教式は、故人を現世の迷いの世界から解脱させ、極楽浄土へ送る儀式ですが、神道式は家庭をお守りする祖先神に対し、生前の報恩と感謝を述べ、死後も祖先神の中に帰還し家族の幸せを見護る存在となるよう、御魂(みたま)をお鎮めするお祭りをおこないます。

 

霊魂を鎮め供養するといった、日本人が古来から信仰してきた死生観に基づく葬儀です。

 

神道の考えでは、私たちの魂は死後、四つに分類されるといわれています。その四つの魂とは、

 

・和魂(にぎみたま)

・荒魂(あらみたま)

・幸魂(さきみたま)

・奇魂(くしみたま)

 

といいます。

 

和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)は、優しさや怒りなどといった人の感情を表す魂で、亡くなった後には、天へと昇る旅に向かい、最終的には神さまの御許(みもと)に還り、神さまと一体になると言われています。

 

残りの二つの魂である幸魂(さきみたま)と奇魂(くしみたま)は、幸福や奇跡などを表す魂で、死後は祖霊舎にてお鎮めする霊璽(れいじ)に宿り、またご家族一人一人の心の中にも宿り、日々をお守り、導いてくださるといわれています。

 

 

神葬祭の年祭(法事)について

 

葬儀後の祖霊祭(先祖供養)は、概ね仏教式と同じ考えです。10日祭・20祭・50日祭・100日祭があり、また年祭として一年祭・3年祭・5年祭と続きます。