ニュースから神社のあり方を問う

先日、大変気がかりな記事が出ておりました。
こちらで紹介したいと思います

 

ニュース - 世界遺産の鎮守の杜、下鴨神社の境内にマンション?!…真に守るべきもの見極めよ 

http://www.sankei.com/west/news/150410/wst1504100011-n1.html 


世界文化遺産の下鴨神社(京都市左京区)が境内に高級集合住宅を建設する計画を発表し、議論を呼んでいる。今年は21年に1度の式年遷宮に当たるが、社会の変化や長引く不況で思うように寄付金が集まらないなかの苦肉の策だ。50年の期限付きで土地代として年間約8千万円の収入を見込み、費用などに充てる考え。理解を示す人、非難する人と反応はさまざまだが、現代に伝統を守る難しさ、次代へ引き継ぐための課題が浮き彫りになっている。

 

原風景を残す森

下鴨神社は正式名、賀茂御祖(かもみおや)神社。京都三大祭の一つ「葵祭」で知られる。起源は平安京の建設以前にさかのぼる日本有数の古社だ。境内の鎮守の森は『枕草子』や『源氏物語』にも登場する「糺(ただす)の森」として市民に親しまれてきた。都市部にありながら約12万4千平方メートルの敷地に古代山城原野の植生を残す世界でも希少な森で、一帯は平成6年、「古都京都の文化財」の一つとして世界遺産に登録された。そこに住宅建設が持ち上がったのだから注目されるのは当然だが、建設予定地はその指定区域外、南側の隣接地だ。現在は同社の有料駐車場や研修施設があり、解体して計8棟107戸を分散して建てる方針。

 

神社の財政難

実は神社の財政難は今に始まったことではない。上京区にあった豊臣秀吉ゆかりの出世稲荷神社は24年、老朽化した社殿の修復などが難しくなり、左京区大原に移転した。京都御所の東にある梨木神社(上京区)でもマンション建設問題が持ち上がり、反対した神社本庁から離脱する騒ぎになった。京都の市中で神社を維持し続けるのはなかなか難しいことなのである。

神社はおおむね拝観料を取らない。お守りやおみくじなどの販売、祈祷料や婚礼、賽銭などが収入の柱で、日々の運営はまかなえても、数十年に1度の式年遷宮といった大事業は広く寄付に頼らざるを得ないのが実情だ。

同社によると、必要な費用は総額約30億円で、国の補助金は8億円。残りは企業や個人の寄付に頼るしかないが集まったのは半分程度だった。「式年遷宮に向けて関西や首都圏、名古屋まで回って寄付をお願いしてきたが、リーマン・ショックなどで経済情勢は厳しかった」と友田重臣社司はいう。

 

~~下鴨神社とは~~

下鴨神社は上賀茂神社とともに京都の社寺では最も古い部類に入り、奈良時代以前から朝廷の崇敬を受け、平安遷都の後はより一層の崇敬を受けるようになった。大同2年(807年)には最高位の正一位の神階を受け、賀茂祭は勅祭(天皇の使者が派遣されて執行される祭祀)とされ、弘仁元年(810年)以降約400年にわたり、皇女が斎王として祭事に奉仕された。


 

皆さんはこの記事についてどのように思われたでしょうか。

 

私はこの問題は下鴨神社だけの問題でなく、日本の神社全体の問題であると思えてなりません。

戦後、神社は国の管理から離れ、それぞれが一宗教法人として運営されてきましたが、戦後70年を迎え、

この一宗教法人として神社を運営していくことの困難さが露呈してきているように思います。

 

どうして我々日本人の祖先は、この神社や鎮守の森を現代まで守り続けてきたのか、

それをどうして私たちが引き継ぎ、次の世代に繋げていく必要があるのか、

 

そういった問題の本質を根本から考え直す必要が、現代の私たちに問われているのではないでしょうか。